不動産調査

大阪市のハザードマップを地図情報サイト「マップナビおおさか」で確認する

大阪市はハザードマップを地図情報サイト「マップナビおおさか」にて公表しており、水害、高潮、津波、地震(震度・液状化)など様々な災害について地図情報が公開されています。

重要事項説明において説明すべき水害ハザードマップ

不動産取引の重要事項説明においては、河川氾濫、内水氾濫、高潮の浸水想定区域の区域と、浸水想定について説明しなければなりませんが、大阪市の場合は、「マップナビおおさか」の水害ハザードマップで網羅されています。
具体的には、以下の水害ハザードマップを見ることができます。

■河川氾濫浸水想定区域図
・淀川が氾濫した場合
・神崎川・安威川・高川・天竺川が氾濫した場合
・大和川が氾濫した場合
・寝屋川水系が氾濫した場合
・東除川・西除川が氾濫した場合

■内水氾濫浸水想定区域図
・内水氾濫した場合

■高潮浸水想定区域図
・高潮氾濫が発生した場合

■津波浸水予測図
・東南海・南海地震による津波が来襲した場合
・南海トラフ巨大地震による津波が来襲した場合

河川氾濫

大阪市の河川氾濫浸水想定区域図は、上記の5種類が公表されています。なお、想定する降雨条件については、平成27年の水防法改正により、計画基本降雨から想定最大規模降雨に変更となりました。想定最大規模降雨とは、1000年に1度の確率で降る大雨を想定したものです。
大阪市は、「水の都」、「水都大阪」と言われているとおり、淀川など多くの河川が市内を流れています。大阪市内は、河川が多いうえに、海抜高が低い土地のため、河川氾濫のリスクが高く、市内の広い範囲が河川氾濫浸水想定区域内になっていますので注意が必要です。
河川氾濫についての降雨条件(想定最大規模)等については下表のとおりです。大阪市の地図情報サイト「マップナビおおさか」の水害ハザードマップは、大阪府や国土交通省近畿地方整備局の河川事務所等が作成したものを利用しており、大阪府や国土交通省近畿地方整備局がホームページ等で公表しているものと基本的に同じものです。

河川名 想定している雨の条件 作成主体
24時間総雨量 時間最大雨量
淀川 360mm 1年に起きる確立が1/1000程度の降雨(想定最大規模降雨、1000年に1度の大雨) 淀川河川事務所
大和川 316mm※ 大和川河川事務所
神崎川 737mm 81.1mm 大阪府
天竺川 1150mm 142.6mm
高川 1150mm 145.4mm
安威川 776mm
寝屋川水系 683mm 138.1mm
東除川・西除川 904.1mm 102.5mm

※大和川については12時間の総雨量

内水氾濫

水害ハザードマップには、内水氾濫が発生した場合の浸水想定区域図があります。
内水氾濫の浸水想定区域図は、大阪市建設局が作成したもので、想定している降雨条件は、24時間総雨量549mm、時間最大雨量147mm(想定最大規模降雨)です。
内水氾濫とは、河川ではなく、水路、側溝、下水道などから水が溢れることを言います。内水に対して河川は外水と言われることもあります。
降雨量が多くなると、側溝、水路、下水道の排水可能な量を超え溢れることになります。
下水道には汚水・雑排水と雨水を同じ管で処理する合流式と雨水を分ける分流式があり、大阪市内は合流式です。合流式は分流式よりも雨水を処理できる量が劣り、降雨量が多くなると溢れることがあります。下水道管は地下に埋設されているため、出口を求めてマンホールのフタを吹き飛ばすこともあります。

高潮

高潮浸水想定区域図は大阪府が作成しています。過去に大きな被害をもたらした最大規模の台風である室戸台風、伊勢湾台風の規模を想定しています。

大阪市の土砂災害リスク

地図情報サイト「マップナビおおさか」に公開されているハザードマップには土砂災害に関するものはありません。
土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域も指定があれば、水防法施行規則第11条第1号の定めにより、水害ハザードマップに記載しなければなりませんが、大阪市内には、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の指定が無いため記載がないのです。土砂災害警戒区域以外にも、土砂災害リスクの高い土地に指定される、以下の法律に基づく区域についても、令和3年4月1日時点で指定がありません。大阪市内においては、土砂災害リスクは極めて低いと言えます。

・「砂防法」 ・・・大阪市に砂防指定地の指定なし
・「地すべり等防止法」 ・・・大阪市に地すべり防止区域の指定なし
・「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」 ・・・大阪市に急傾斜地崩壊危険区域の指定なし
※「砂防法」、「地すべり等防止法」、「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」は、総称として「砂防三法」と呼ばれています
・「宅地造成等規制法」・・・大阪市に宅地造成工事規制区域の指定なし

菊池 英司

投稿者の記事一覧

一級ファイナンシャル・プランニング技能士
公認不動産コンサルティングマスター
宅地建物取引士

不動産分野を専門とするファイナンシャルプランナー。不動産FP。
個人向けに不動産投資、不動産有効活用、住宅購入・売却のアドバイス、セミナー等を行っているほか、売買契約書や重要事項説明書の作成、不動産調査等を不動産業者、不動産鑑定士、弁護士、税理士から受託している。
2008年から空き家・留守宅管理の専門サイト「留守宅どっとネット」を運営し、自ら空き家管理の実務も行う空き家管理人。

関連記事

  1. 重要事項説明における水防法に基づく「水害ハザードマップ」について…
  2. 土砂災害警戒区域に指定された土地の資産価値について
  3. 重要事項説明における幹線道路の沿道の整備に関する法律(沿道整備法…
  4. 大阪国際空港の制限表面についての調査方法(航空法)
  5. 重要事項説明における水防法の説明
  6. 重要事項説明における都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制…
  7. 徳島で活断層上の建設を規制する条例
  8. 宅地建物取引業者の調査 宅地建物取引業者に対する調査

おすすめ記事

重要事項説明における幹線道路の沿道の整備に関する法律(沿道整備法)の説明

重要事項説明で説明すべき内容重要事項説明においては、幹線道路の沿道の整備に関する法律第10条に定…

浸水被害軽減地区(水防法)

浸水被害軽減地区(水防法)浸水被害軽減地区は、洪水浸水想定区域内で、輪中堤防など帯状の盛土構造物…

建築基準法附則第5項道路とは

建築基準法附則第5項道路とは建築基準法附則第5項道路とは、建築基準法の前進となる「市街地建築物法…

重要事項説明における踏切道改良促進法の説明

踏切道改良促進法の改正に伴う宅地建物取引業法施行令の改正令和3年3月31日に踏切道改良促進法等の…

重要事項説明における都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限

都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限不動産取引の重要事項説明では、法令、条例等による制…

PAGE TOP